『孤独な群衆 上』ほか

孤独な群衆 上 (始まりの本)

孤独な群衆 上 (始まりの本)

『孤独な群衆 上』(デイヴィッド・リースマン/みすず書房/3360円)
個人と社会、時代との関わりを論じた不朽の名著、改訂訳版で登場。全2冊。上巻は第一部「性格」。初版(1950年)から20年後に書かれた新たな「まえがき」を付す。この本でとりあつかうのは、社会的性格と、ことなった地域、時代、集団にぞくする人間の社会的性格の相違についてである。われわれは、いったん社会のなかにできあがった異なった社会的性格が、その社会での労働、あそび、政治、そして育児法などのなかに展開してゆく仕方を考えてみたいと思う。そしてとりわけ、十九世紀のアメリカの基調をなしたひとつの社会的性格が、まったく別な社会的性格にだんだんと置きかえられてきている事情を、この本では問題にしてみたい。なぜ、こうした変化がおきたのか。どんなふうにこの変化はおきたのか。
 
孤独な群衆 下 (始まりの本)

孤独な群衆 下 (始まりの本)

『孤独な群衆 下』(デイヴィッド・リースマン/みすず書房/3360円)
個人が「群衆のなかの孤独」から脱する道筋を真摯に模索する。 不朽の名著、改訂訳版で登場。全2冊。下巻は第二部「政治」第三部「自律性」。ギトリン「解説」、加藤秀俊「『孤独な群衆』をめぐる半世紀」を付す。
 
中国絶望工場の若者たち 「ポスト女工哀史」世代の夢と現実

中国絶望工場の若者たち 「ポスト女工哀史」世代の夢と現実

『中国絶望工場の若者たち−「ポスト女工哀史」世代の夢と現実−』福島香織/PHP研究所/1470円)
いま、中国には1980年~90年代生まれの「第二代農民工」(新生代農民工、新世代農民工)と呼ばれる若者たちがいる。親が出稼ぎ農民として都市部に来た世代で、子供である彼らは都市に住みながら「農村戸籍」のため、差別と不遇をかこっている。その数、なんと約1億人。彼らの不満や鬱屈があるとき反日デモストライキに至ることは、2012年の反日暴動で証明された。中国ビジネスを行なう日本企業にとって、また体制崩壊の不安におびえる中国共産党にとって、いま「第二代農民工」とどう付き合うかは最大の問題である。著者はこれまで調査されなかった「第二代農民工」の現地ルポを敢行。工場で働く若い男女の「日系企業に対する愛と憎しみ」や「将来の夢」、「なぜ日系企業ではストライキが多いのか」を赤裸々に伝える。「絶望工場」とまで称される中国の生産現場では、どのような人生が繰り広げられているのか。その目でぜひ確かめていただきたい。
 
妖怪たちのラビリンス  西洋異界案内

妖怪たちのラビリンス 西洋異界案内

『妖怪たちのラビリンス−西洋異界案内−』(菊地章太/角川学芸出版/1785円)
妖精やドラキュラなど、ヨーロッパの「妖怪」たちはなぜ生まれたのか? 聖痕(スティグマ)などの怪異現象はなぜ起きるのか? 宗教観や人々の持つ深層心理などから様々な生(せい)を見つめる。価値ある写真も満載。
 
レディーの赤面―ヴィクトリア朝社会と化粧文化

レディーの赤面―ヴィクトリア朝社会と化粧文化

『レディーの赤面−ヴィクトリア朝社会と化粧文化−』(坂井妙子/勁草書房/3150円)
観相学の流行をバックに作り上げられたヴィクトリア朝の「理想の女性」像とは。文学作品、服飾、化粧品などの資料から描き出す1冊。