『思想のアンソロジー』ほか

『思想のアンソロジー』吉本隆明/筑摩書房/1260円)
古事記』から定家、世阿弥法然親鸞宣長、折口、大拙、天草方言まで。自らの思索の軌跡をアンソロジーに託して綴った、日本思想史のエッセンス。
 
禅宗の歴史 (読みなおす日本史)

禅宗の歴史 (読みなおす日本史)

『禅宗の歴史』(今枝愛真/吉川弘文館/2730円)
中世以降の政治や外交の舞台では、禅僧たちが活躍した。漢詩や食生活など文化の創造にも貢献した、強固な禅宗文化を描いた労作。
 
読書の歴史―あるいは読者の歴史

読書の歴史―あるいは読者の歴史

『読書の歴史−あるいは読者の歴史−新装版』(アルベルト・マングェ/柏書房/3990円)
さまざまな史実・伝承・逸話と、多数の図版でつづる書物と人の歴史。単なる解説書ではなく、著者の喜怒哀楽を凝縮した「生きる読書史」となっている。96年刊行以来、14か国語に翻訳。仏訳は98年プリ・メディシ世界文学賞を受賞。
 『日本人と地獄』石田瑞麿/講談社/1103円)
極楽往生を夢見た日本人が恐れた地獄とは一体どんな場所なのか? 仏教典籍、史料・文芸作品等を渉猟・博引し、驚異の心象風景を描く 。
 
ふたつの講演――戦後思想の射程について

ふたつの講演――戦後思想の射程について

『ふたつの講演−戦後思想の射程について−』加藤典洋/岩波書店/1785円)
日本の戦後思想の核心とは、圧倒的な外来思想への、自己の戦争体験と近代日本の露わになった後進性を手がかりにした、ポストコロニアルな抵抗にある。非西洋世界が近代化にむけた苦闘にあるこのとき、日本の戦後思想は、どのような可能性をもつのか。「リスク近代」の果てにせり上がってきた、世界が抱え込む「有限性」という概念を手がかりに、21世紀世界の思想的課題と、未来構想の可能性を問う。