『将軍の生活』ほか

将軍の生活 (明石選書)

将軍の生活 (明石選書)

『将軍の生活』(石井良助/明石書店/1890円)
将軍や天皇、朝廷の役人、大奥の日課や政務について、また目安箱・御庭番の目的や幕府の財政の変遷、御定書や人別帳の役割、村・村地のしくみについてなど、江戸時代の生活や社会制度を広範に綴る。日本法制史研究の第一人者による名随筆が蘇る。
 『ハンザ「同盟」の歴史−中世ヨーロッパの都市と商業−』(高橋理/創元社/2310円)
世界史上最大の都市連合体として中世から近世にかけてヨーロッパ史に大きな足跡を残し、同時代の経済活動を語るうえで欠かせない「ハンザ同盟」の通史。中世ヨーロッパに特有の都市連合体はいかにしてヨーロッパ北部の経済圏を支配するまでになったのか。本書では、ハンザの盟主リューベクの 成立から説き起こし、やがて絶頂を迎えたハンザ諸都市の展開、その終焉までを描ききる。ハンザ史研究の泰斗による渾身の一冊。
 
東ドイツ外交史―1949‐1989

東ドイツ外交史―1949‐1989

『東ドイツ外交史−1949−1989−』(ヘルマン・ヴェントカー/三元社/8820円)
占領下の厳しい冷戦のなか、ドイツを分断して 1949 年に誕生した東ドイツ。わずか 40 年の短命国家の外交の任務はつねに、国の存立の保障の確保にあった。たえず国家の「存在の不安」に悩まされていたからである。本書を通じて、ベルリン問題の本質がわかるし、ハンガリー動乱ベルリンの壁の建設、「プラハの春」、ブラント政権の「新東方政策」、度重なるポーランド騒擾など、現代世界史の真相があらためて生々しく迫ってくる。
 
昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

『昨日までの世界−文明の源流と人類の未来−上』ジャレド・ダイアモンド/日本経済新聞出版社/1995円)
世界的大ベストセラー『銃・病原菌・鉄』の著者が、長大な人類史を紐解き、文明前夜から現代社会に引き継がれた人類の特質と病巣を解明する。600万年におよぶ人類の進化の歴史のなかで、国家が成立し、文字が出現したのはわずか5400年前のことであり、狩猟採集社会が農耕社会に移行したのもわずか1万1000年前のことである。長大な人類史から考えればこの時間はほんの一瞬にすぎない。では、それ以前の社会、つまり「昨日までの世界」の人類は何をしてきたのだろうか?領土問題、戦争、子育て、高齢者介護、宗教、多言語教育……人類が数万年にわたり実践してきた問題解決法とは何か? ピュリツァー賞受賞の世界的研究者が、身近なテーマから人類史の壮大な謎を解き明かす。全米大ベストセラーの超話題作、早くも登場!
 
昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

『昨日までの世界−文明の源流と人類の未来−下』ジャレド・ダイアモンド/日本経済新聞出版社/1995円)
本書下巻では、危険に対する警戒心、人間社会と宗教の関係性と重要度の変化、消えつつある言語の多様性と、社会における多言語の使用、非感染性疾患と西洋的な生活様式といった人間社会の諸問題を取り上げる。現代西洋社会の特徴はインターネット、飛行機、携帯電話といった技術や、中央政府、司法、警察といった制度ばかりではない。肥満、座りっぱなしの働き方、豊かな食生活から生まれる疾病や、社会が豊かになったことによる宗教の役割の変化もまた、現代西洋社会の特徴なのである。伝統的社会に強く惹かれ、その研究者としての人生の大半をニューギニアなどの伝統的社会に捧げてきたジャレド・ダイアモンドが、現代西洋社会に住む私たちが学ぶべき人類の叡知を紹介する。
 

『日本全国地図の謎』ほか

日本全国 地図の謎

日本全国 地図の謎

『日本全国地図の謎』(浅井建爾/東京書籍/1470円)
地図は、ミステリー。県境の真上にある神社。日本一の砂山。東京よりも人口が多かった島根県今川焼きはどこから、そしてどこへ……。県境をめぐる謎、山と川をめぐる謎、海をめぐる謎、市と町と村をめぐる謎、ヒトと食をめぐる謎、名所と建物をめぐる謎など、日本各地の謎を地図と現地写真でさぐる!
 
ビザンツ帝国の最期

ビザンツ帝国の最期

『ビザンツ帝国の最期』(ジョナサン・ハリス/白水社/3990円)
一四五三年五月二十八日、ビザンツ帝国皇帝コンスタンティノス十一世は、コンスタンティノープルを包囲するオスマン・トルコ軍に対し最後の戦いに臨もうとしていた。出陣に際しての演説は、「たとえ木や石でできた者であっても涙をとめることができなかった」と言われるほど感動的なものだった。翌未明、城壁がついに破られたと悟った皇帝は、死に場所を求め敵中に突入する──。悲愴で劇的な、長らく語られてきた帝国滅亡の場面である。だが悲しいかな、この出来事を伝える記録は偽作であることが今日では判明している。では実際にはどうであったのかを、当時の他の記録を見ていきながら、その背景にあるビザンツ人の価値観や複雑な国際政治の現実を、最新の研究成果を盛り込んで分析したのが本書である。同じキリスト教の西欧諸国は、かつて十字軍で都を征服した敵でもある。一方、オスマン・トルコの台頭から帝国滅亡までの大半の期間、ビザンツ人とトルコ人は必ずしも敵同士ではなく、日常レベルでは平和に交流していた。両者のはざまで、皇族から都市民衆まで個々人が、危機に際してどういう選択をしたかを、著者は包囲戦の百年前から帝国滅亡後の人々の動向まで描いていく。
 
歴史(中) (岩波文庫 青 405-2)

歴史(中) (岩波文庫 青 405-2)

『歴史 中 第37刷改版』ヘロドトス/岩波書店/987円)
イオニア反乱を制圧したペルシアはギリシア遠征の軍を発し、ペルシア戦争の幕は切って落とされた。アテナイマラトンに軍を集結して迎え撃つ。自らの足で資料を集め正確公正を期した、今日なお高い価値を持つ史書
 
歴史 下 (岩波文庫 青 405-3)

歴史 下 (岩波文庫 青 405-3)

『歴史 下 第38刷改版』ヘロドトス/岩波書店/1050円)
ふたたびギリシアにおしよせた新王クセルクセス率いる大遠征軍と、これを迎え撃つギリシア軍は、テルモピュライの戦いサラミスの海戦など、後世の人々の語りぐさとなった激しい戦いを展開する。
 
歴史について、およびその他のエッセイ (ソキエタス叢書)

歴史について、およびその他のエッセイ (ソキエタス叢書)

『歴史について、およびその他のエッセイ』マイケル・オークショット/風行社/3675円)
テイラーにおけるカソリシズムと多元主義とはどのような関係にあるのか。またカソリック多元主義は、現代政治理論においていかなる意義を有するのか。
 

『東京都戦災誌』ほか

東京都戦災誌

東京都戦災誌

『東京都戦災誌』(東京都/編/明元社/18900円)
昭和28年、非売品の行政資料として東京都が編集し関係機関に配布された「東京都戦災誌」の新組復刊。太平洋戦争当時、首都東京および日本国政府がいかなる戦時体制をとったか。東京都による大戦の総括、戦時下の国民の生活状況から詳細な空襲被害報告、および罹災者救護措置までが収録され、昭和史研究のゆるぎない基礎文献といえる。【本書の特色】◎広汎多彩な項目で東京都及び政府の戦時行政・経済体制を俯瞰。 東京都による大戦の総括と国家総動員下の戦時体制、国民生活を網羅した。◎詳細な調査による、厖大な「戦災日誌」。 消防庁・警視庁・帝都防空本部による空襲被害報告を、昭和17年4月18日より昭和20年8月15日まで詳細に収録。◎厖大な情報量とそれを補完する豊富な図版を配置。 満洲事変より終戦・戦後復興まで日本がたどった「戦争の時代」を総括。◎新組公刊によりさらに高い資料性。 昭和28年編集時の誤字・脱字を修正、歴史的仮名使いも適宜あらためた。◎オールカラーの附属資料「焼失区域図」3枚も復刻 (区部東・西:各約120×60cm、八王子市:約40×25cm)
 
蒙古合戦と鎌倉幕府の滅亡 (動乱の東国史)

蒙古合戦と鎌倉幕府の滅亡 (動乱の東国史)

『動乱の東国史 3 蒙古合戦と鎌倉幕府の滅亡』(湯浅治久/吉川弘文館/2940円)
蒙古襲来をしのぎ、幕府権力を掌中におさめた北条氏。その栄光と挫折を、発展と荒廃の狭間にあった変わりゆく東国社会から読み解く。
 
南北朝内乱と東国 (動乱の東国史)

南北朝内乱と東国 (動乱の東国史)

『動乱の東国史 4 南北朝内乱と東国』(櫻井彦/吉川弘文館/2940円)
朝廷を二分した南北朝内乱を、人々はなぜ闘い、東国社会に何をもたらしたのか。地域の紛争を描き、『太平記』の時代に迫る。
 
日露戦争史 2

日露戦争史 2

『日露戦争史 2』半藤一利/平凡社/1680円)
戦いは前哨戦を終え、いよいよ激戦に突入!! 二〇三高地の死闘を経て、ついに旅順が陥落するまでの陸海の攻防、国民の反応とその変化を詳細に描く。
 『日本軍の金塊−馬賊王・小日向白朗の戦後秘録−』(関浩三/学研パブリッシング/1890円)
終戦直前に東京湾に沈められたという日本軍の大金塊を、GHQは秘密裏に引き揚げていた。その行方とは? また、佐藤栄作首相の指示による日中国交回復の裏で進行していた日米の密約とは? 戦後の日本国誕生にまつわる衝撃の秘史が今、明かされる!
 

『ジャン=リュック・ナンシー−分有のためのエチュード−』ほか

ジャン=リュック・ナンシー (哲学の現代を読む)

ジャン=リュック・ナンシー (哲学の現代を読む)

『ジャン=リュック・ナンシー−分有のためのエチュード−』澤田直/白水社/2940円)
待望のナンシー論! カント、ヘーゲルハイデガーなど歯ごたえのある哲学者たちと格闘しながら、〈共同体〉〈自由〉〈正義〉といった伝統的な問題系を正統的に引き継ぎつつ、常にアクチュアルな事象や映画・音楽・美術・ダンスにもしなやかに接合する、現代最高の哲学者ナンシー。デリダ亡き後、フランス思想界で最もその発言が注目される人である。これまで発表された大小合わせて六十以上の著作のうち、半分近くが訳されるほど日本における関心や人気は高いが、彼のテクストを読み解くことは、決して容易くはない。本書は、ナンシーの思考や文体(むしろ彼独特の言葉の感覚と言おうか)の特徴を鮮やかに分析し、その「手強さ」の所以を明らかにする。読み方の「こつ」を押さえた上で、その膨大な著作の何からどう読んでいくべきか? まず導入として、心臓移植という自らの体験を語った『侵入者』。非常に薄いが、具体的かつ本質的なこの本は、入門として最適である。次に、「共生」を中心テーマに据えた『無為の共同体』『自由の経験』。続いて、イメージ論『イメージの奥底で』『肖像の眼差し』を経て、年々益々主要テーマとなっているキリスト教脱構築を扱った『訪問』『私に触れるな』『脱閉域』へ。折に触れその他の著作もさまざまに引用されるが、以上の厳選されたタイトルが一冊一冊じっくりと読み解かれていく。ナンシー思想の全体像が初めて浮かび上がるファン待望の一冊。
 
ビートルズ作品読解ガイド(増補版)

ビートルズ作品読解ガイド(増補版)

『ビートルズ作品読解ガイド 増補版』(秋山直樹/ブイツーソリューション/1974円)
1960年代の音楽市場を席巻したビートルズ。その後期オリジナル作品の歌詞を徹底分析する。取り上げるのは、1967年夏以降に発表された81曲、および同時期に録音されながらも後年まで音盤化されなかった14曲の、合わせて95曲。十二分な英語の知識、緻密な英文読解力、そして当時のビートルズに関する詳細な情報を駆使して、抽象的で難解と思われている歌詞を解説する。増補版では、後発の14曲を追加するのみならず、原版で解剖した81曲をさらに詳しく説明している。
 
ランシエール―新〈音楽の哲学〉 (哲学の現代を読む 5)

ランシエール―新〈音楽の哲学〉 (哲学の現代を読む 5)

『ランシエール−新〈音楽の哲学〉−』市田良彦/白水社/2730円)
本書に登場するのはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバーたちであり、フランク・ザッパであり、黒人ブルースメンの猛者たち。彼らの音楽創造のプロセスがランシエールの〈美学〉〈政治〉の概念(「分け前なきものたち」の舞台こそが政治である)に呼応することを、著者はあきらかにしていく。本邦初の本格的ランシエール論であるとともに、言語としての音楽が「人民」のコール&レスポンスによってねりあげられていく、ブルース〜ロックンロールの生成過程をみごとに解析する書である。「プロレタリア」が彼らの「夜」を音楽的に遂行し、結晶させるまで……才能も歴史も、もはや不要である。
 『NHKさかのぼり日本史 外交篇 6(戦国) 富と野望の外交戦略−なぜ、大航海時代に戦国の世は統一されたのか−』( /NHK出版/1365円)
鉄砲とキリスト教――二つの伝来が日本を一変させた。信長・秀吉・家康の出現により、乱世は終焉を迎える。その裏には、海外との貿易で生まれた富をめぐる戦国大名の生き残りをかけた外交戦略があった。
 

『気になる科学』ほか

気になる科学 (調べて、悩んで、考える)

気になる科学 (調べて、悩んで、考える)

『気になる科学』(元村 有希子/毎日新聞社/1575円)
ウシやシカはどうして北を向くのか? Eメールとウシのゲップと地球温暖化な関係とは? iPS細胞・山中伸弥教授の「滑る話」って?! 男らしさと薬指の関係とは……ノーベル賞疑似科学、宇宙から地震原発問題まで、「発信箱」「記者の目」でおなじみの科学環境部デスクによる最新〈理系〉コラム。震災、原発事故以降、科学に無関心でいられなくなったすべての人に贈る、103篇。これを読んだら、もう理科は苦手、理系嫌い、なんて言えなくなります。『理系思考』から5年、待望の最新刊。
 『知っていますか?西洋科学者ゆかりの地IN JAPAN 1』(西條敏美/恒星社厚生閣/2940円)
日本全国に散らばる西洋科学者のモニュメント。案外自分が住んでいる近くに科学者の足跡があることを知らないもので、これらを訪ねながら科学者の人物像、業績を紹介する科学史読み物。科学への興味をわかせる最初の契機になる。郷土学習、自由研究の素材として、また地域の名物紹介としても活用できる。巻末に全国にある記念碑等の設置場所一覧付す。
 
味な映画の散歩道

味な映画の散歩道

『味な映画の散歩道』池波正太郎/河出書房新社/1680円)
鬼平犯科帳」等の著者の糧は、映画と飲食であった。起きて映画、おいしく食べてまた映画、ちょっとひっかけ、帰宅して仕事、夜食、読書……。至福の一時が伝わる映画人生の記録。
 
吸血鬼イメージの深層心理学:ひとつの夢の分析

吸血鬼イメージの深層心理学:ひとつの夢の分析

『吸血鬼イメージの深層心理学−ひとつの夢の分析−』(井上嘉孝/創元社/2940円)
心理療法の中で語られた、吸血鬼が登場する一つの夢。その夢を出発点として、東欧の民間伝承、海外のドラキュラ映画、日本のマンガに登場する「吸血鬼・ドラキュラ」イメージについて臨床心理学の観点から考察を進める。「吸血鬼」という異形のもののイメージがたどった歴史的変遷をたどり、吸血鬼イメージのもつ深みを探ることで、個人レベルではなく「人間のこころ」の歴史的変遷の在り方までもを映し出そうとした意欲作。
 
司書はひそかに魔女になる

司書はひそかに魔女になる

『司書はひそかに魔女になる』(大島真理/郵研社/1365円)
東日本大震災をくぐり抜けた?魔女?。復興途上の東北からエールを送る4年ぶりの爽快エッセイ。
 

『将棋の歴史』ほか

将棋の歴史 (平凡社新書)

将棋の歴史 (平凡社新書)

『将棋の歴史』増川宏一/平凡社/798円)
将棋はいったいいつごろから遊ばれていたのか? 中国から伝わったのか、それとも別のところからか? など、まだまだ解明されていない謎多き将棋の歴史について、最新の研究成果を発表する。
 『モダン・ライフと戦争−スクリーンのなかの女性たち−』宜野座菜央見/吉川弘文館/1785円)
栗島すみ子、田中絹代、琴糸路、原節子…。モダン・ガール達が輝く映画と、戦争の意外な共犯性を論じ、資本主義と戦争の関係に迫る。
 『ロック天狗連−東京大学ブリティッシュロック研究会と七〇年代ロックの展開について知っている二、三の事柄−』(林浩平/編著/彩流社/1995円)
ポスト学園紛争の東大キャンパスで「ブリティッシュロック研究会」を創設した林浩平。本書は大学の先輩・後輩による「日本におけるロック受容論概説」。さらには、NHKの大型ドキュメンタリー番組のプロデューサーで、ローカルロックに詳しい角氏には、東大外部からのサポート参加を願い、内容を厚くした!
 
院政とは何だったか (PHP新書)

院政とは何だったか (PHP新書)

『院政とは何だったか』(岡野友彦/PHP研究所/798円)
天皇はなぜ「武士の時代」といわれる中世を生き延びたのか――その答えは「院政」にある、と著者・岡野氏はいう。「院政」とはたんに、皇位をしりぞいたのちも前天皇が影響力を保ちつづけたといった単純な政治的事件ではない。それは律令体制が完全に崩壊した中世にあって、国家財政を支えた唯一の経済基盤である「荘園」を、「家産」として「領有」した天皇家の家長「治天の君(ちてんのきみ)」が、日本最大の実力者として国政を牛耳った統治システムだった。本書は、摂関家・将軍家・寺社勢力とも対抗し、「権門勢家」のひとつとしてたくましく時代を生き延びた中世皇室の姿を、実証的かつ論争的に明らかにした、著者渾身の力作。中世政治史、経済史、そして皇室史に興味のある読者にとって、本書は間違いなく「目から鱗」の斬新な視点を与えてくれる好著である。
 
占領期を駆け抜けた男たち

占領期を駆け抜けた男たち

『占領期を駆け抜けた男たち』(中島良博/創英社/1470円)
戦禍にあえぐ日本国民を護るため、占領軍に立ち向かった五英傑、吉田茂緒方竹虎石橋湛山池田勇人白洲次郎。本書は、近代日本を結した、史上「もっとも濃密な10年間」のドキュメントです。
 

『新京成電鉄駅と電車の半世紀−松戸市・鎌ケ谷市・船橋市・習志野市を結ぶ26.5kmの沿線案内−』ほか

『新京成電鉄駅と電車の半世紀−松戸市・鎌ケ谷市・船橋市・習志野市を結ぶ26.5kmの沿線案内−』(白土貞夫/編著/彩流社/1575円)
下総台地を駆け抜けた新京成電鉄の思い出の写真の数々を初公開写真を多数含み収録。習志野船橋鎌ヶ谷、松戸の懐かしい沿線風景がいまよみがえる。現在乗入の京成千葉線も収録した鉄道ファンにとっても充実の内容。
 
西武鉄道 昭和の記憶

西武鉄道 昭和の記憶

『西武鉄道昭和の記憶−副都心池袋・新宿と武蔵野・秩父を結ぶ多彩な電車・機関車の想い出−』(園田正雄/編 三好好三/文/彩流社/1995円)
池袋線新宿線・各支線など、武蔵野の沿線を駆け抜けた西武鉄道の貴重な写真を、初公開写真多数を含めて大きなサイズで刊行。「鉄道ピクトリアル」「鉄道ファン」「レイルマガジン」等に多くの写真を提供してきた園田正雄の写真と、乗り物エッセイスト・コラムニストで著名な三好好三の文章で綴る、西武鉄道ファン垂涎の貴重な一冊。
 
味な映画の散歩道

味な映画の散歩道

『味な映画の散歩道』池波正太郎/河出書房新社/1680円)
鬼平犯科帳」等の著者の糧は、映画と飲食であった。起きて映画、おいしく食べてまた映画、ちょっとひっかけ、帰宅して仕事、夜食、読書……。至福の一時が伝わる映画人生の記録。
 
小津安二郎周游(上) (岩波現代文庫)

小津安二郎周游(上) (岩波現代文庫)

『小津安二郎周游 上』(田中眞澄/岩波書店/1029円)
小津研究の第一人者が歴史の細部を見つめ、没後50年を迎える巨匠の生涯と全仕事を描きだす。膨大な資料を探索して書き得たファン必携の一冊。モダンボーイとして拳闘に熱狂し、所属部隊が毒ガス戦に関与するなど戦前・戦中期の興味深いエピソードも解明。更に蒲田、大船と撮影所の現場も活写し、日本映画の隆盛期を辿る。
 
ジェンダーの比較映画史―「国家の物語」から「ディアスポラの物語」へ

ジェンダーの比較映画史―「国家の物語」から「ディアスポラの物語」へ

『ジェンダーの比較映画史−「国家の物語」から「ディアスポラの物語」へ−』(川口恵子/彩流社/6300円)
資本主義の高度な発達によるグローバル化が加速した現代社会。猛烈に肥大化したハリウッド映画に代表された「映画理論」からも、グローバル化の陰で第三世界の国々に飛び火しつつある「ナショナリズムの論理」からも解放された、もうひとつの《空間》を作り出すことへの積極的な参画。本書の「映画読解行為」は新たな《闘いの場》を創造する。